つゆきの大瀬レポート デジカメ&ハウジング購入記

8月中旬 デジカメが欲しくなる
 6月からこのホームページを作るようになって3ヶ月近くたった。最近は、大瀬のレポートのページも始めたけど何かが足りない・・。それは写真だ。
 モルディブ写真集のページには何点かの水中写真を貼り付けているけれど、実は、あの写真は借り物のニコノスで撮ったものなので水中カメラは持っていない。やはり、大瀬のレポートのページには最新の水中写真を載せたい。というわけで、今まで金銭的理由から我慢していたけど、水中カメラを何とか手に入れよう。
 どの機種を買おうか?自分自身カメラ&写真にはちょっとうるさいのでニコンだったら最低限F90だろう、できればF4が欲しい。でも、本気でハウジングの値段を調べてみるとやっぱり全部で4〜5十万は軽くかかることを再確認してしまった。ううぅ、やっぱりノートPCも欲しいし、スキーにも行きたいから無理だ。
 そんなとき、ニフティのFDIVINGでフジのデジカメDS−7で水中写真を撮っている方の発言を読んで方向転換を決意。デジカメに数万でハウジングが5万程度、合わせてもせいぜい15万だし、すぐに絵を観られておもしろそうだ。


8月下旬 DC−2に傾く
 水中撮影に向いているのはどれだろうか。QV−100、DS−7、DC−1S、DC−2あたりが候補だろう。やはり、比較的暗いところできれいに撮れ、マクロで寄れるのがいい。液晶モニタも水中でみられた方がよい。
 DC−2だと1cmまで自動で寄れて暗いところでも強いらしい。使い物になるかはわからないがストロボも付いている。これが良さそうだ。ただ、液晶モニタは変なところに付いていてハウジングがひどく大きくなりそうな感じ。これは困ったな。でも、このオートフォーカスのマクロはいい。画質も評判いいしこれにしたい!まあ、モニタは付けないでも何とかなるだろう、そこは腕でカバーだな。


9月上旬 DC−2を購入
 結局、マクロにひかれて横浜のヨドバシカメラにてDC−2を購入した。とりあえず手近の物を色々と撮ってみながらハウジングの構想を固めてゆく。ハウジングを作る(発注)ためには、水中でハウジングの外部からカメラの操作する部分を決めておく必要がある。
 数えてみるとDC−2には15カ所もの操作スイッチ、レバー類が付いている。全部操作できればよいけれど、費用の面や使いやすさ、信頼性を考えると必要最低限に押さえなければならない。
 15の中で必ず必要なのはレリーズボタンだ。他に、焦点切り替えもしたい。 ストロボモード切替ボタンも必要だ。どうやら自分の思った通りにストロボが発光するわけでもなさそうなので(ちょっと暗いだけで自動発光するようだ)やはり、強制ON、OFFは使うだろう。
 心配だったのが電源スイッチだ。レリーズなどとは別の面に付いていてスライド量も大きい。これはなるべく操作したくないがオートパワーオフからの復帰に操作するのだろうか?試してみるとオートパワーオフした状態からレリーズを押すことで電源が戻ることがわかりひと安心。これなら、電源スイッチは入れっぱなし出よい。
 そのほかに露出補正もできればいいが、これをやろうと思うとボタン3個を操作しなければならない。どうせ、モニターも付けないことだしこれはあきらめることにした。
 結局、レリーズボタン、焦点切り替えレバー、ストロボモードボタンの3カ所を操作できるように頼むことにした。

9月上旬 ハウジングを注文
 DC−2購入から1週間。ハウジングの仕様の方針も定まったところでDIVに注文を出すことにした。とりあえず電話にてDC−2のことを尋ねると、だいたい5万円をみてもらえれば作れるでしょうとの返事。
 やはり、電話での仕様の打ち合わせは誤解が生じるおそれもあるのでDIVに出向くことにし、雑誌広告の地図を頼りに西武新宿線の新井薬師駅に下りた。地図では駅から近そうだったが思ったより遠く、多少心細くなりながらもDIVを発見。ビルの1Fだが、ちょっと地味なので油断していると見過ごしそうだった。
 入ってみると、あまり広くない店の中には色々なカメラやビデオ用のハウジングが置いてある。カウンターのすぐ奥が工場になっているらしくアクリルを削っているらしい音が聞こえ、樹脂の焦げるにおいが漂っている。
 対応してくれた方にこちらの要望を伝えたところ、納期が1ヶ月ぐらいかかるが問題なく作れるとのこと。さっそく注文票に記入して製作をお願いした。その後、少しお話を伺ったところ、デジカメについては、カシオのQV−10の実績がいちばん多くあり、コダックのDC−50、フジのDS−7などの実績があるが、DC−2については私の注文が初めてということだった。
 初めてということは、これができればDC−2を海中に持ち込めるのは世界で私だけということになる(多分)。これは、なんとも嬉しい!!ただし、うまく撮れる保証がぜんぜんないことになり、ちょっと心配でもある。けど、まあ、きっと大丈夫だろう。
 ハウジングの製作時には、カメラを預けなければならないのだが、私の注文にはすぐにとりかかれないそうなので、少し経ってから宅配便で私のDC−2を送ることにして今日はDC−2を持ち帰ることにしてもらった。DC−2を海に沈める前になるべくたくさんいじっておいてフィーリングをつかんでおきたかったのでした。


10月上旬 ハウジング完成
 宅配便でDIVからの荷物が届く。早速箱を開けると中に私のDC−2が入ったアクリル製のハウジングが収まっている。手に持つと予想していたよりもずっしりと重さを感じる。これだと海中でも浮力はマイナスになりそうだ。
 各部を点検してみる。3カ所頼んだ操作部は、押しボタン式の物を勝手に想像していたのだが、現物ではハウジングの外から中へ貫通したシャフトに樹脂製の爪が付いており、シャフトに付いたレバーをぐりぐり動かすことによりDC−2のボタンを爪でこすって操作する物だった。
 ボタンは「押す」ものと思っていましたが、「こする」という考え方もあるのだと感心してしまった。「押す」方式だと、水圧がかかった状態での操作に問題が起きやすいのかもしれない。それと、耐圧構造を作りやすいのかなと思いました。
 パッチン錠をはずし蓋をとってみると、ゴムの黒いパッキンが見える。一般の水中カメラやハウジングと同じように溝の中にOリングがはまっている物を想像していたのだが、これも予想を裏切られハウジング本体にゴムのパッキンが貼り付けられていました。断面は、O(オー)型でなく、角形である。さらに、普通のOリングには継ぎ目はないのだが、これには継ぎ目がある。何となく心配な感じはあるが、水深50mでも大丈夫とのことなどで信じよう。
 とにかく、レンズ面の保護フィルムをはがして、試し撮りをしてみる。液晶モニタは付けられない構造にしたので光学ファインダーを覗いてフレーミングする。これは、予想通りなのだが約1cmの厚さのアクリル越しなので、ケラレが生じて枠全体を一度に見渡すことはできません。目の位置をずらして周辺を確認する必要があります。
 レリーズレバーを手探りで回し半押しをしようと思うとシャッターがー切れてしまう。何度か試すと上手く半押しできるときもあるが、確率が悪くて水中では無理な感じ。とりあえず、被写体は真ん中に入れて撮ることにしよう。
 部屋の中の手近な物をいくつか撮ってからDC−2をハウジングから取り出し、液晶モニタを取り付けて画像の確認をする。近距離の物は案の定フレーミングがずれている物もあるが写りは完璧のようだ。ハウジングに入れずに撮った物と比較しても画像の劣化は見分けられない。よしよし、これなら使えそうだな。
 ハウジングを持っているとレンズ面の保護が気になる。どうも、手がレンズ面に触りそうになる。自分だけなら気を付ければ済むかもしれないが、人に見せるときにここだけは触ってもらいたくない。保護フィルムをいつも貼るわけにもいかないので、両面テープ付きの隙間ふさぎテープをフードのように貼り付けてみた。これで、手でべったりとレンズ面に触る事故は起きにくくなるだろう。(写真に写っているレンズ面に貼り付いた「コ」が横になった形の黒い物がこれです)


10月13日 進水
 いよいよ大瀬に持ち込んで進水です。カメラをハウジングにセットして、とりあえず機材洗い用の風呂桶に付けて水漏れを確認する。当然ながら、ろくに水圧がかからないので水は漏れないが、ちょっとどきどきする。このとき、やはり浮力がマイナスで水に沈むことを確認した。
 最初にカメラを入れないで深いところに持って行き浸水が無いのを確認することをお勧めするという但し書きがハウジングと一緒に入っていたのですが、面倒だ!と いきなりカメラ入りで潜りました。(後から考えると大事なDC−2をいきなり塩漬けにする可能性もあり、無謀でした。反省)
 ハウジングを手に持って潜って行くと手の中でハウジングがきしんで僅かだと思うが小さくなるのがわかります。その度にぎょっとして点検しても水漏れしている様子はない。どうやら、こういう物らしいと納得して撮影を行ってみた。やはり、レリーズの感覚が難しくいつシャッターが切れるかわかりにくい。明るい場所でのノーストロボ撮影からはじめてみたが、とりあえずは撮れていそうだ。
 少し深いところ(水深25mぐらい)にいって体長5cmのイザリウオの撮影に挑戦。自然光のみでは、明らかに暗すぎて撮れそうにない。そこで、手持ちの水中ライトを左手で魚に当てつつ、右手でハウジングを持ち撮影した。近いのでフレーミングに大きな不安を持ちつつきびしい体勢で何枚か撮ってみた。(このときは、ストロボでは良い結果が得られないだろうと思っていて、ストロボは使わなかった)
 その後のヒバシヨウジの撮影にもこの方法を使ったが、最後に撮りやすそうなカサゴを見つけストロボ撮影のテストもしてみた。水中でのモード切替は液晶パネルを見ながら行えるので確実にできます。
 陸に上がってハウジングを真水で洗ってからDC−2を取り出し、早速今撮ったばかり画像の確認です。水中ライトを当てて撮ったイザリウオは、光を当てた部分が見事にオーバーで白く飛んでいていました。光がスポットになる水中ライトでは上手く撮れないようです。きっと、光が均一に散るビデオライトを用意すればきれいに撮れるでしょう。
 ヒバシヨウジについては、まわりが明るかったため白飛びするようなことはなくまあまあきれいに撮れました(10月14日のレポート写真参照)。最後に撮ったカサゴですが、ストロボを使用した物でもきれいに撮れていました。水深が深く暗いところでの撮影ではビデオライトを使用しないなら、DC−2内蔵のストロボを使用した方が良い結果が得られそうです。


しばらく使ってみて・・・。
 いままでのの撮影でDC−2&ハウジングについて感じた主な点をあげます。

<良い点>
1.水中でのスナップにも、小さな生き物の接写にも十分使える画質が得られる!
2.ダイビングの合間の休み時間に、さっき撮った画像をみんなで見られて楽しい!

<不満な点>
1.液晶モニタを付けなかったため、近距離のフレーミングに不安がある。
2.レリーズの操作がしにくく、慣れが必要。

 こんなところでしょうか。
 いずれにしても、若干の使いにくい点はありますが、枚数をこなすことにより、習熟して気になりにくくなってきました。
 レポートの写真を見て頂ければわかるようにパソコンのモニター上の利用では十分満足できる程のきれいな水中写真を撮ることができ、満足度はかなり高いです。


ハウジングの写真を載せておきます。DC−2で撮っているので、カメラが入った状態の写真はありません。
みなさんのお手元のDC−2(または写真)を見ながらカメラが入った状態を想像してみて下さい。
正面
背面(オープン)
ハウジング正面(DC−2撮影光源:蛍光灯)     ハウジング背面(DC−2撮影光源:蛍光灯)